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F1に対して,日々思うこと…


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 2007年の出来事,2008年レギュレーション変更点,冬季テストの状況の簡単に振り返った後,2008年の展望をチーム別にまとめたいと思う。

 2007年はマクラーレン内のアロンソとハミルトンの確執問題(モナコGPでのハミルトンの発言,ハンガリーGPのアロンソ予選妨害など),マクラーレン&ルノースパイ事件,トロロッソ・スーパーアグリのカスタマーシャシー問題など,グランプリ中身以外のところで多くの政治問題が取り上げられた。その一方で,フェラーリとマクラーレンの2チーム4人のドライバーのチャンピオンシップ争いが繰り広げられ面白い要素も多々あった。ライコネンとアロンソはシーズン序盤にタイヤで苦しんだが,中盤以降は完全にタイヤの使い方を理解し,チームメイト以上のパフォーマンスを発揮していた。
 先煮述べたタイヤは昨年からブリヂストン一社供給となり,タイヤに合わせたシャシーの開発が求められた。その点ではミシュランに特化していたルノーは最も苦しんだ。2010年までブリヂストン一社供給は続き,引き続きタイヤに合わせたシャシーの開発が求められる。

 2008年のシーズンを占う前に,2008年に向けてのレギュレーションの主な変更点を見ておく。
  • 標準ECU(エンジンコントロールユニット)の導入
    TCSが禁止され,コーナーでのトラクションコントロールをドライバーがしなければならなくなり,よりスムーズな運転が要求される。ロングラン時のタイヤの磨耗に大きく影響するため,スティント後半でオーバーテイクの可能性があるかもしれない。また,レーススタートもドライバーが自分で行う要素が増え,スタートの重要性が増す。
  • 4イベント1ギアボックス
    ギアボックスも使用量を減らし,コスト削減のためにこのレギュレーションが導入された。ギアボックス耐久性を向上させるために重量が増すため,シャシー全体の軽量化,重量バランスなど2次的な影響が発生する。
  • コックピット横のドライバープロテクター高さup
    昨年のオーストラリアGP,ブルツとクルサードのクラッシュ事故を受けてプロテクター高さがアップしている。見た目に分かる微々たる変更だが空力的な影響は大きいかもしれない。
 今年はマシンに対しては大きなレギュレーション変更がないため,昨年からの進化型マシンを採用するチームが多い。また,2008年のタイヤは2007年のタイヤをほぼ踏襲している(SSはコンパウンド変更(カナダGP対策),ドライタイヤ全般に構造強化)。

 冬季テスト前半(新車完成前)ではとにかく標準ECUを使いこなすためのテストを各チーム実施していた。スピンが相次ぎ,標準ECUを不安視する声もあったが,各チームの新車が出揃った頃には標準ECUもある程度使いこなせるようになっており,新車の開発が進んでいった。ここからは,冬季テストの内容を踏まえ,各チームの展望をみていく。

フェラーリ
 新車F2008の発表は全チーム中最も早く,距離も最も稼いでいる。新車はF2007を踏襲しており,見た目としてはフロント処理・ホイールベースの短縮が主な変更点であったが,リア周り・重量配分もしっかり見直され,とにかくTCS禁止下での走りやすさを重視した設計思想となっている。バーレーンでは日々タイムを更新し,昨年のベストタイムを早々に更新するなど開発との手を緩めることはなかった。2月末のテストで開幕用のかなりアップデートされた空力パーツを試す予定であったが,少し延期された模様。それを投入せずとも,マクラーレンと比較してロングランで大きなアドバンテージがあるのではないだろうか。ライコネンのコメントによればもっと早く走ろうと思えば速く走れるとのこと。信頼性も昨年より高く,開幕ダッシュをかける勢いがありそう。

BMWザウバー
 新車はF1.07を踏襲しているが,フェラーリやマクラーレンに対抗するためかなり攻めた開発を進めたようである。新車投入当初は非常にピーキーな性格の車で早さも伸び悩んでいたが,空力パーツを前倒しで投入するなど積極的な開発で幾分マイルドな性格になったようである。しかし,現時点ではフェラーリやマクラーレンには届いておらず,シーズン中の開発方向性が非常に大切となるだろう。ルノー,ウィリアムズ,レッドブルが追い上げてきており,第2勢力に飲み込まれているのかがフライアウェイ3戦で明らかとなる。

ルノー
 昨年に使いこなせなかったブリヂストンタイヤをいかに使える車に仕上げるかにこだわった新車R28。重量配分の見直し,ゼロキールの採用など大きな変更を加え,チャレンジングな年となる。テストの状況からしてフェラーリやマクラーレンと戦えるレベルにはなく,序盤はBMWザウバー,ウィリアムズ,レッドブルと戦うことになるだろう。タイヤも完全に使いこなせておらず,更なるダウンフォースを得るための空力改善も必要となっている。

ウィリアムズ・トヨタ
 昨年より新車デビューが前倒しされ,十分に走りこんでいる。基本は昨年の車FW29をベースに,ウィリアムズらしい開発を進めている。信頼性も高く,スムーズなドライビングしやすい車に仕上げられている。タイヤの磨耗にも比較的易しくロングランで安定した走りが期待できる。昨年課題であった予選一発の早さも改善され,2人のドライバーが十分にQ3に進出できるポテンシャルを持った車である。予選順位がよければ,BMWザウバー,ルノー,レッドブルを凌ぐ速さを持っている。タイヤに厳しいサーキットでは表彰台の可能性も十分にある。スポンサーも増え,エンジンもトヨタ使用で,プライベーターとしてここ数年で一番ゆとりがあるだろう。

レッドブル・ルノー
 新車は昨年の車RB3をベースにニューウィらしい開発が進められ,見た目に大きな変化がなくとも大きなポテンシャルを秘めたマシンが登場した。テスト中盤からエンジンカウルに面白い形状を採用したがその効果は? 昨年は信頼性に大きな問題(特にギアボックス)があり,信頼性確保が課題であったはず。比較的走りこめてはいるが,テスト結果にもばらつきがあり,BMWザウバー,ウィリアムズ,ルノーとどこまで勝負できるのか読めないチームである。

トヨタ
 新車TF108の発表は比較的早く,初めてホイールベースをロング化してコーナー安定性を図るなど,これまででのトヨタの中では大きな変更を加えたマシンである。そのせいもあってなかなかセットアップが決まらず,テスト初期ではタイムが出ないときもあったが,バーレーンテスト以降,マシンの熟成も進み,一発の速さはそれなりのポテンシャルを持っていることが分かった。しかし,トヨタの特徴でもあるロングランの安定性・タイヤの磨耗といった点では上の4チームに遅れをとっているのではないだろうか。そのあたりも改善できていれば第2勢力に仲間入りし,Q3進出&ポイント獲得を戦うことになるだろう。

トロロッソ・フェラーリ
 STR2(RB3)を改良した車でシーズンをスタート。信頼性は確保されており,RB3が昨シーズン後半で速かったため,新車が出来上がるまでのつなぎとしても十分にポテンシャルを発揮する車である。Q2への進出を基本とし,フライアウェイ3戦でポイントが1ポイントでも獲得できれば十分であろう。

ホンダ
 昨年の車RA107がコーナーでのピーキーさから非常に乗りにくくタイムも出なかった。その点を反省して作り変えた車RA108であるが,新車発表の時期も遅くテストのタイムも出ないことから早くも不安視されている。セットアップだけでなく,空力パーツも定まっておらず,ホンダの開発の方向性がまとまっていないことを象徴している。最初の目標はレースでの安定性,Q2進出であろう。

スーパーアグリ・ホンダ
 昨シーズンは前半まではプライベーターとしてとてつもない成果を出した。後半は資金不足で開発を断念したが,その影響が今も続いており,オーストラリアに車を並べられるか依然として状況が分からない。テストではECUを試した程度で,昨年同様,走りこむことなくシーズンインとなる。RA107ベースの新車だと苦しい戦いを余儀なくされるだろう。

フォースインディア・フェラーリ
 フィジケラを向かい入れ,ドライバーのポテンシャルはアップしたものの,新車は昨年のF8-VIIをあり合わせ改良した程度でシーズン序盤は明らかに苦しいだろう。チームはすでに2009年を視野に入れており,2008年用の新車開発のリソースをどこまで割くのかがポイントとなる。資金は問題なく,前身のジョーダンらしさが戻り開発が進めばQ2進出は可能となるだろう。

マクラーレン・メルセデス
 昨シーズンは車は速かったものの,政治的な問題でマイナスイメージとなったマクラーレン。新車MP4-23はMP4-22ベースに発展させた車である。どのようなコーナーでも曲がりやすいような改良が施されているが,ロングランでのタイヤの磨耗がフェラーリと比べて悪く,レースペースではフェラーリに対して後れを取っている状況である。ただし,昨年同様,一発の速さは十分に持ち合わせており,ロングランペースの改善に対してどのような対策を進めてくるのか,注目される。

 シーズン全体を通して,チャンピオン候補はやはりフェラーリ・ライコネンが有力である。マッサはやや走りが荒く,タイヤへのダメージがライコネンより大きい。スティント後半で厳しくなるタイプなので,ライコネンがピットストップで逆転するシーンが何度も見られそうな予感がする。あと期待するのはウィリアムズ,シーズン後半にかけて開発が進めば表彰台にも期待がかかる。プライベーターの力をまた見せてもらいたい。
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